蕪村の奇想画(その一) [蕪村の奇想画]
その一 猫股
『蕪村全集四 俳詩・俳文』所収「妖怪絵巻」(猫股)
蕪村が、宝暦四年(一七五四)から七年(一七五七)にかけて寄寓していた京都・丹後・宮津・の見性寺の欄間に張られていたものと伝えられている『蕪村妖怪絵巻』(ブソンヨウカイエマキ)は、通常の蕪村画とは異質の「奇想画」と名付けても差し支えなかろう。
その第一景は、「榊原の家臣稲葉六郎大夫と猫又(ネコマタ)」である。左側の文字は、「おれがはら(腹)のかわ(皮)をためして見おれ、にゃん、にゃん」とある。
この「猫股」は、年をとった猫で、尾が二つに分かれ、時に化けて人に害をなすと恐れられている。この蕪村の奇想画は、彼の「戯画・酔画」のうちの、一つの余興的な作品なのであろうが、
蕪村の根っ子のところに、この系譜の「奇想画」に連ねるものが見て取れる。
蕪村の三大俳詩の一つ「春風馬堤曲」(安永六年)に、破調の発句体の、次の句がある。
〇 古駅三両家猫児(ビョウジ)妻を呼(ヨブ)妻来(キタ)らず
『蕪村全集四 俳詩・俳文』所収「妖怪絵巻」(猫股)
蕪村が、宝暦四年(一七五四)から七年(一七五七)にかけて寄寓していた京都・丹後・宮津・の見性寺の欄間に張られていたものと伝えられている『蕪村妖怪絵巻』(ブソンヨウカイエマキ)は、通常の蕪村画とは異質の「奇想画」と名付けても差し支えなかろう。
その第一景は、「榊原の家臣稲葉六郎大夫と猫又(ネコマタ)」である。左側の文字は、「おれがはら(腹)のかわ(皮)をためして見おれ、にゃん、にゃん」とある。
この「猫股」は、年をとった猫で、尾が二つに分かれ、時に化けて人に害をなすと恐れられている。この蕪村の奇想画は、彼の「戯画・酔画」のうちの、一つの余興的な作品なのであろうが、
蕪村の根っ子のところに、この系譜の「奇想画」に連ねるものが見て取れる。
蕪村の三大俳詩の一つ「春風馬堤曲」(安永六年)に、破調の発句体の、次の句がある。
〇 古駅三両家猫児(ビョウジ)妻を呼(ヨブ)妻来(キタ)らず
猫好きにウケそうな画ですね^_^;
by middrinn (2017-08-22 12:43)
久しぶりですネ、蕪村に「猫」画があるとは気がつきませんでした。
middrinさんのお知り合いのサイト(?)の猫さんのお導きなのかも知れませんネ。
by yahantei (2017-08-22 15:50)