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蕪村の奇想画(その四) [蕪村の奇想画]

その四 産女の化物

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『蕪村全集四 俳詩・俳文』所収「妖怪絵巻」(産女の化物)

 右側に、「出羽の国 横手の城下 蛇の崎が橋 うぶめの化物」とあり、この図の次に、「関口五郎太夫」の図があり、その図に、「雨ふる夜、此のばけものに出合、力をさづけられるとぞ。其の後ゑぞか嶋合戦の時、其てがらあらわしけるとぞ。佐竹の家中にその子孫有」とある。
 蕪村の自叙伝の『新花摘』(安永六年作)にも、結城や宮津で狸に悪戯された話や、下館の狐の話が出て来るが、それと一緒に、秋田佐田家の家老、「梅津半右衛門ノ尉」(其角門の俳人・其雫=キダ)の四十七士討ち入りのことを報じた手紙の伝来記などが記されている。
 蕪村の「妖怪絵巻」の「産女の化物」は、その秋田佐田家地方の「産女の妖怪」と関わっているようである。
 死んだ妊婦をそのまま埋葬すると、「産女」になるという伝承は、日本の各地で様々な「産女・姑獲鳥(うぶめ・こかくちょう)」の妖怪ものを生んでいる。

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鳥山石燕『画図百鬼夜行』「姑獲鳥(うぶめ・こかくちょう)」

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