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蕪村の奇想画(その七) [蕪村の奇想画]

その七 「真桑瓜の化物」と「西瓜の化物」

瓜.jpg
『蕪村全集四 俳詩・俳文』所収「妖怪絵巻」(真桑瓜の化物)

 この図の右側に、「山城 駒のわたり 真桑瓜のばけもの」とある。これに対応して、次の「西瓜の化物」が、この絵巻の最終のものである。

西瓜.jpg
『蕪村全集四 俳詩・俳文』所収「妖怪絵巻」(西瓜の化物)

 この図の右側に、「大阪木津 西瓜のばけもの」とある。

 この両図を見比べると、「山城(京都) 駒のわたり(木津川の渡り)、真桑瓜のばけもの(化物)」と、「大阪(浪速) 木津(大阪市浪速区内) 西瓜のばけもの(化物)」との対比ということになる。

 もう一つ、「天王寺(浪速・大阪)」は、「蕪青(ブセイ・ブショウ・カブラ・カブ)」の産地で名が知れ渡っている。
然らば、この「妖怪絵巻」の作者、「蕪村」は、この「浪速(大阪)の「蕪」の産地の、「天王寺村」生まれに由来があるということを、暗示しているようなのである。

 それを暗示しているのは、国立国会図書館(デジタルコレクション)で公開している、『蕪村妖怪絵巻解説 : 附・化物づくし』(乾猷平著・北田紫水文庫)という貴重な文献である。

絵巻解説.jpg
国立国会図書館(デジタルコレクション)


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