SSブログ

江戸の「金」と「銀」の空間(その一) [金と銀の空間]

(その一) 其一の「金」(白椿図)と「銀」(芒野図)

其一・白椿.jpg

Camellias (one of a pair with F1974.35) → 白椿(フリーア美術館蔵)
Type Screen (two-panel) → 二曲一双
Maker(s) Artist: Suzuki Kiitsu 鈴木其一 (1796-1858)
Historical period(s) Edo period, 19th century
School Rinpa School
Medium Ink, color, and gold on paper → 金地着色画
Dimension(s) H x W: 152 x 167.6 cm (59 13/16 x 66 in)

 上記の作品が、屏風の「表」の「金」(ゴールド)の世界とすると、その屏風の「裏」の「銀」(シルバー)の世界が、次のものである。

其一・芒野.jpg

Autumn Grass → 芒野(フリーア美術館蔵)
Type Screen (two-panel) → 二曲一双
Maker(s) Artist: Suzuki Kiitsu 鈴木其一 (1796-1858) → 鈴木其一
Historical period(s) Edo period, 19th century
Medium Ink and silver on paper → 銀地墨画 
Dimension(s) H x W: 152 x 167.6 cm (59 13/16 x 66 in)

 この「白椿図」と「芒野図」とは、現在は、二曲一双に改装されているが、もともとは、二曲一隻の「白椿に芒野図」として、屏風の「表」と「裏」に描かれていたものなのである。
 これは、光琳が描いた金地の「風神雷神図屏風」(東京国立博物館蔵)に対して、抱一が「裏絵」として描いた銀地の「夏秋草図屏風」(東京博物館蔵)との構成と同じ世界のものということになる。
 そして、実は、其一に、もう一つの、「銀」(シルバー)の、「芒野図屏風」(二曲一隻)が存在する。

其一・芒野二.jpg

鈴木其一「芒野図屏風」 二曲一隻 紙本銀地墨画 一四四・二×一六五cm
千葉市美術館蔵

 この「銀」(シルバー)の世界は、単独の、「表絵」の世界である。こういう、さまざまの試みを、江戸三百年の、その「前期・中期・後期の画人」たちは試みている。
 さらに、上記の「表絵」の「白椿図」は、光琳の「赤椿図」(団扇絵)を念頭に置いたものとも言われている(『別冊太陽 酒井抱一 江戸琳派の粋人』所収「抱一と銀(宗像晋作稿)」)。

赤椿図団扇.jpg

コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。