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「風神雷神図」幻想(その七) [風神雷神]

『北斎漫画(三編)』の風神雷神図」と肉筆画の「雷神図」(その二)

2008年10月7日(火)~11月30日(日)、東京都江戸東京博物館に於いて、「ボストン美術館 浮世絵名品展」が開催された。その図録中の、「ボストン美術館の浮世絵」と題するものの中に、次のような興味あることが記されていた。

【 富田(注・幸次郎)は「吉備大臣入唐絵巻」のような重要な作品を国外に流出させたことで、日本国内では非難の嵐を浴びた。しかし、「吉備大臣入唐絵巻」を購入するために売却されたボストン美術館の肉筆の多くは日本にもたらされることになり、1893年のボストン美術館の北斎展で展示された作品のいくつかは、現在は、太田美術館や出光美術館のような日本の美術館に収蔵されている。つまり、間接的な美術品の交換がこの時に行われたことになる。 】

 ボストン美術館には、「5万点にのぼる浮世絵版画、700点以上の肉筆画、数千点の版本が所蔵されている」(同上『図録』所収「あいさつ」)とあり、上記のように、日本に里帰りをしたものを含めると、その全貌というのは、未だ、ベールに閉ざされているという言葉が適切なのかも知れない。
 そして、それらのコレクションの中心になったのは、「モース、フェノロサ、ビゲロー」の三人で、これら三人と他のコレクターなどを介して、例えば、フリーア美術館などの他の美術館所蔵となっているものも多いようである。
 中でも、フリーア美術館所蔵の「日本の美術」関係作品については、ボストン美術館以上に、深いベールに閉ざされているという言葉が適切なのかも知れない。
 ところが、このフリーア美術館は、ベールを閉ざしているどころか、そののデジタル画像を、同館のウェブサイトから、フリーでダウンロードできる「オープンF|S」を開始しているのである。

https://archive.asia.si.edu/collections/edan/default.cfm

 この「オープンF|S」で、「HOKUSAI」を検索すると、491点が収録されているのである。

https://archive.asia.si.edu/collections/edan/default.cfm?searchTerm=hokusai&btnG.x=38&btnG.y=17&btnG=Search

 どれも、北斎の名品ばかりと印象だが、その内の一点「雷神図(Thunder god)」は、次のとおりである(その拡大図を掲げて置きたい)。

https://archive.asia.si.edu/collections/edan/object.php?q=fsg_F1900.47

北斎・雷神図一.jpg

北斎筆「雷神図」(一部・拡大)フリーア美術館蔵(「オープンF|S」)
署名「八十八老卍筆」 印章「百」 弘化四年(一八四七)
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