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抱一画集『鶯邨画譜』と抱一句集『屠龍之技』(その十三) [『鶯邨画譜』と『屠龍之技』]

その十三 百合(抱一の「百合図」周辺)

抱一・百合図.jpg

抱一画集『鶯邨画譜』所収「百合図」(「早稲田大学図書館」蔵)
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/chi04/chi04_00954/chi04_00954.html

 下記のアドレスで、尾形光琳筆「風神雷神図屏風」(二曲一双・東京国立博物館蔵)と酒井抱一筆「夏秋草図屏風」(二曲一双・東京国立博物館蔵)との秘めたるヒストリーというのを見てきた。 

https://yahan.blog.so-net.ne.jp/2018-01-26

 さらに、続けて、下記のアドレスで、その「銀地」の酒井抱一筆「夏秋草図屏風(二曲一双 東京国立博物館蔵)と、その下絵なる「金地(下絵)」の抱一筆「夏秋草図屏風草稿」(二曲一双 出光美術館蔵)とのヒストリーを見てきた。
 
https://yahan.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

 ここで、上記のアドレスで紹介した、「風神雷神図屏風(光琳筆)・夏秋草図屏風(抱一筆)」(重要文化財)について、次のアドレスの、「国立博物館所蔵 国宝・重要文化財」の「解説文」を掲載して置きたい。

http://www.emuseum.jp/detail/100321/000/000?mode=detail&d_lang=ja&s_lang=ja&class=1&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=201&num=2

夏秋草図屏風(風神雷神図との関連).jpg

上段(表) 尾形光琳筆「風神雷神図屏風」(二曲一双) 東京国立博物館蔵
下段(裏) 酒井抱一筆「夏秋草図屏風」(二曲一双)  東京国立博物館蔵

【宗達の「風神雷神図」を光琳が模写し、その屏風の裏面に抱一がみずからの代表作を描きつけたもの。琳派の系譜を象徴的に表すこの記念的な両面屏風も、画面の損傷から守るべく、近年表裏を分離してそれぞれの一双屏風に改められた。「雷神図」の裏には驟雨(しゅうう)にうたれて生気を戻した夏草と、にわかに増水した川の流れを、「風神図」に対しては強風にあおられる秋草と舞い上がる蔦(つた)の紅葉を描く。
抱一(1761~1828)は諸派の画風を遍歴したあげく光琳の絵画に傾倒し、琳派の伝統を江戸の地に定着、開花させた。がその作風には彼の得意とした俳諧の感覚に通じる風雅な趣が支配的で、琳派伝統の「たらし込み」の手法も抒情的な草花表現にもっぱら活用されている。この図は銀地の上に可憐な草花を描いた抱一らしい優美な作品であるが、一方、色の濃淡の変化を避けて明快な色彩効果をねらっている点に注目したい。抒情性と装飾表現の自然な統合を目指した、おそらく抱一画の到達点を示す一作ということができる。両隻に「抱一筆」の落款、「文詮」の朱文円印がある。】

 この抱一の「夏秋草屏風図」の右隻に、「驟雨(しゅうう)にうたれて生気を戻した夏草」の一つに、「百合」が描かれている。この「百合」の一輪は、冒頭の『鶯邨画譜』所収「百合図」と合致する。

百合図二.jpg

酒井抱一筆「夏秋草図屏風」(二曲一双)の「部分・拡大図」

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