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「抱一再見」(続「忘れがたき風貌・画像」) [抱一再見]

(その一)「釈阿」(「藤原俊成」卿)

藤原俊成.jpg

藤原俊成(菊池容斎・画、明治時代)(「ウィキペディア」)

「おもふ事言はでたゞにや桐火桶」(「抱一句集(「屠龍之技」)・第四/椎の木かげ」4-26)

https://yahantei.blogspot.com/2023/02/4-264-28.html

句意(その周辺)=この句には、「俊成卿の畫(画)に」との前書があり、「藤原俊成(釈阿)が桐火桶を抱えている肖像画」を見ての一句なのであろう。
句意=俊成卿は、歌を作るときに、「「おもふ事」(心にあること)を、何一つ、「言はで」(言葉には出さず)、「たゞにや」(ただ、ひたすらに、「ウーン・ウーン」と苦吟しながら)、「桐火桶」(桐火鉢)を、抱え込んでいたんだと、そんなことを、この俊成卿の肖像画を見て、実感したわい。

(参考) 藤原俊成(「桐火桶」)(「ウィキペディア」)
 定家は為家をいさめて、「そのように衣服や夜具を取り巻き、火を明るく灯し、酒や食事・果物等を食い散らかしている様では良い歌は生まれない。亡父卿(俊成)が歌を作られた様子こそ誠に秀逸な歌も生まれて当然だと思われる。深夜、細くあるかないかの灯火に向かい、煤けた直衣をさっと掛けて古い烏帽子を耳まで引き入れ、脇息に寄りかかって桐火桶をいだき声忍びやかに詠吟され、夜が更け人が寝静まるにつれ少し首を傾け夜毎泣かれていたという。誠に思慮深く打ち込まれる姿は伝え聞くだけでもその情緒に心が動かされ涙が出るのをおさえ難い」と言った。(心敬『ささめごと』)

https://yahan.blog.ss-blog.jp/2020-01-05

釋阿.jpg

狩野探幽筆「新三十六歌仙画帖(左方十八・皇太后宮大夫俊成」(東京国立博物館蔵)各33.5×26.1
https://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0009411
左方十八・皇太后宮大夫俊成
http://www.ikm-art.jp/degitalmuseum/num/001/0010710000.html
 又や見むかた野のみのゝ桜がり/はなのゆきちるはるのあけぼの

右方十八・西行法師
http://www.ikm-art.jp/degitalmuseum/num/001/0010711000.html
 をしなべて花のさかりになりにけり/やまのはごとにかゝるしらくも
狩野探幽筆「新三十六歌仙画帖(左方十八・西行法師」(東京国立博物館蔵)各33.5×26.1
https://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0009429


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釋阿.jpg

狩野永納筆「新三十六歌仙画帖(入道三品釈阿)」(東京国立博物館蔵)各22.4×19.0
https://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0056425
左方十八・皇太后宮大夫俊成
http://www.ikm-art.jp/degitalmuseum/num/001/0010710000.html
 又や見むかた野のみのゝ桜がり/はなのゆきちるはるのあけぼの

西行.jpg

狩野永納筆「新三十六歌仙画帖(西行法師)」(東京国立博物館蔵)各22.4×19.0
https://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0056426
右方十八・西行法師
http://www.ikm-art.jp/degitalmuseum/num/001/0010711000.html
 をしなべて花のさかりになりにけり/やまのはごとにかゝるしらくも

https://yahan.blog.ss-blog.jp/2020-10-10

和歌巻4.jpg

「光悦筆 四季草花宗達下絵和歌巻」(日本古典文学会・貴重本刊行会・日野原家蔵一巻)
      十首歌人によませ侍ける時、花のうたとてよめる
76 み吉野の花のさかりけふ見れば越(こし)の白根に春風ぞ吹く(皇太后大夫俊成)
(吉野山の花盛りを今日眺めると、白雲を頂いた越の白山に春風が吹いているようだよ。)
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/syunzei2.html
タグ:抱一再見
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